労働安全衛生

Top of page 労働安全衛生法・労働安全衛生規則
   労働安全衛生法&労働安全衛生規則等より

一般健康診断

事業主は労働者に対して、年に一度健康診断を実施することが義務付けられています。40歳未満(35歳を除く)では医師の判断のもと一部の検査が省略できます。

定期健康診断検査項目(労働安全衛生規則 第43条、第44条)
1. 既往歴及び業務歴の調査
2. 自覚症状及び他覚症状の有無の検査
3. 身長、体重、腹囲、視力及び聴力(1000Hz及び4000Hzの音に係る聴力)の検査
4. 胸部エックス線検査
5. 血圧の測定
6. 尿検査(尿中の糖及び蛋白の有無の検査)
7. 貧血検査(血色素量及び赤血球数の検査)
8. 肝機能検査(AST、ALT、γ-GTP)
9. 血中脂質検査(HDLコレステロール、LDLコレステロール、中性脂肪)
10. 血糖検査
11. 心電図検査

雇入れ時健康診断(労働安全衛生規則 第43条)
● 事業者は、常時使用する労働者を雇い入れるときは、健康診断を行うことが義務付けられています。

深夜業に従事する労働者の自発的健康診断(労働安全衛生法 第66条の2)
● 午後10時から午前5時までの間における業務(以下「深夜業」という。)に従事する労働者であって、自己の健康に不安を感じ、次回の定期の健康診断を待てない場合に自ら健康診断を受診し、その結果を事業者に提出できるようにしたものです。

海外派遣労働者の健康診断(労働安全衛生規則 第45条の2)
● 事業者は、労働者を本邦外の地域に6ヶ月以上派遣しようとする時に、当該者に対する健康診断の実施が義務付けられています 。

特定業務従事者の健康診断(特殊健診)
対象となる労働者は、労働安全衛生規則第13条第1項第2号(*)に掲げる業務に常時従事する労働者です。実施時期は、配置換えの際及び、6ヶ月以内毎に1回となっています。

労働安全衛生規則 第13条の2

 多量の高熱物体を取り扱う業務及び著しく暑熱な場所における業務
 多量の低音舞台を劣り扱う業務及び著しく寒冷な場所における業務
 ラジウム放射線、エツクス線その他の有害放射線にさらされる業務
 土石、獣毛等のじんあい又は粉末を著しく飛散する場所における業務
 異常気圧下における業務
 さく岩機、鋲釘機等の使用によつて、身体に著しい振動を与える業務
 重量物の取り扱い等過激な業務
 ボイラー製造等強烈な騒音を発する場所における業務
 坑内における業務 深夜業を含む業務
 水銀、砒素、黄りん、弗化水素酸、塩酸、硝酸、硫酸、青酸、か性アルカリ、石灰酸その他これらに準ずる有害物   を取り扱う業務

 鉛、水銀、クロム、砒素、黄りん、弗化水素、塩素、塩酸、硝酸、亜硫酸、硫酸、一酸化炭素、二硫化炭素、生  産、ベンゼン、アニリンその他これらに準ずる有害物のガス、蒸気又は粉じんを発散する場所における業務
 病原体によつて汚染のおそれが著しい業務
 その他厚生労働大臣が定める業務


主な特殊健診 
有機溶剤、特定化学物質、じん肺など様々な化学物質等を取り扱う労働者向けの特殊健診を行っています。

有機溶剤健康診断

54種類の有機溶剤で健康診断の実施が義務付けられています。事業者は、常時従事する労働者に対し、雇入れの際、当該業務ヘの配置替えの際及びその後6ヶ月以内ごとに一回、医師による健康診断を実施しなければなりません。

特定化学物質健康診断
46種類の物質で実施が義務付けられています。事業者は常時従事する労働者に対し、業務の区分に応じ、雇入れ又は当該業務への配置替えの際、一定期間以内ごとに一回、定期に医師による健康診断を行わなければならない。また過去に特定化学物質を取り扱ったことのある労働者についても6月以内ごとに同様の健康診断を実施しなければなりません。

じん肺健康診断
じん肺法施行規則別表で定められた24の粉じん作業に従事または従事した労働者に対しては、(1)就業時 (2)定期 (3)定期外 (4)離職時に、健康診断を実施しなければなりません。

鉛健康診断
雇入れの際、当該業務への配置替えの際及びその後六月以内ごとに一回、定期に医師による健康診断を実施しなければなりません。

電離放射線健康診断
事業者は、放射線業務に常時従事する労働者で管理区域に立ち入るものに対し、雇入れ又は当該業務に配置替えの際及びその後六月以内ごとに一回、定期に医師による健康診断を実施しなければなりません。

管理区分 症状区分 事後措置
管理A 康診断の結果異常が認められない場合 措置を必要としない
管理B 健康診断の結果、管理Cには該当しないが当該因子による又は当該因子による疑いのある異常が認められている場合。 医師が必要と認める検診または検査を医師が指定した期間毎に行い、必要に応じて就業制限。
管理C 健康診断の結果、当該因子による疾病にかかっている場合 当該業務への就業禁止および療養を必要とする
管理R 健康診断の結果、当該因子による疾病または異常は認めないが、当該業務に就業することにより憎悪するおそれのある疾病にかかっている場合または異常が認められる場合 当該業務への就業制限、当該疾病および異常に対する療養その他の措置
管理T 健康診断の結果、当該因子意以外の原因による疾病にかかっている場合又は異常が認められる場合(管理Rに属するものを除く 当該疾病に対する療養その他の措置を必要とする


生物学的モニタリング12
有機溶剤の暴露の程度を見ているのであって、正常か異常かをみているものではありません。しかし分布2、分布3の場合は該当する有機溶剤に暴露している可能性がありますので、作業環境の確認、作業手順の確認、測定条件の確認が必要です。

分布 項目の説明
分布1 有機溶剤の取り込み量は少ない。健康影響の発生する可能性は低い。
分布2 ほとんどの労働者に健康上の影響が見られないレベル。ある程度の濃度で暴露されている。
分布3 吸収された有機溶剤が多い。医師の判断で精密検査が必要。またこの状況で長く勤務すると健康障害が危惧される。

Top of page