名古屋の豊明文化会館では1999年5月の小ホール公演に続き、同年12月には大ホールでコンサートを行えることになった。
当地名古屋のファンやスタッフの力によりこのこんさーとが実現した。
このときのリハーサルから本番までの行程を紹介したいと思います。
【前準備】
大ホールでのコンサートの場合は、数ヶ月前(2〜3ヶ月)に日程調整の打診がある。
メンバー、ホールの空き具合、スタッフの調整などが終了すると、仕切り役にあたる方(制作サイド)から「実施要綱」がFAXで送られて来た。
これには集合時間から解散までの日程や、ステージを作る各会社の担当と連絡先が記載されている。
時々実機要綱の無い出演依頼もある。
活動中の日程が別の仕事にぶつかる場合は調整が必要だ。 我輩は普段会社員なので、上司に「××××なので×日間休みを下さい」とお願いするわけだ。 この時の理由と報告タイミングが一苦労。
バンドのリハーサルは本番前に2回ほど行われる。 この時にアレンジの確認や、音のまとめを行う。 今回は、99年11月3日、4日に行われた。
この時の収録テープはメンバー全員に事前に配布されている。
曲目の最終確認がFAXで送られてくるので、それを自分の譜面と確認する。
【持っていくもの】
やはりツアーは楽しい。 今回もお留守番の妻の冷たい視線を尻目に遠足気分でウキウキだ。
1.ベース(ハードケース入り)
これを忘れちゃいけない。
以前、打ち込みバンドをやっている時に、シンセやらPAやら持ち運んでいたのでライブの日のサウンドチェックでベースを自宅に忘れたことを気づいたことがあった。 今回は飛行機に乗って出かけるので忘れ物確認は慎重にせねばならない。(あたりまえだ)
ハードケースに入れるのは、人に持ってもらうときに安心だからだ。 ひっくり返しても中ではベースが動かないように支えられているので、問題ない。 今回はツアー用の頑丈なアルミケースではなく、1万円くらいの合板製のハードケース。
スコアに書き込むための筆記用具(2B鉛筆、カッター、消しゴム、赤ペン)、紙テープ(マスキングテープ)
紙をまとめるクリップ(はさみ)、楽器を拭く布きれも一緒に入れておく。
2.ブリーフケース(ケーブル類など)
パンツ入れじゃないよ。 30cm×30cmくらいのアタッシュケースのこと。
コンパクトエフェクターケースを代用するもよし。
ケーブル(楽器用シールド線)や、弦のスペア、ベース調整用の工具類を入れる。
折り畳み譜面台など。 ハードケースに入らない(重い)小物など。
3.スーツケース
SKBラックケースのような樹脂製で、ゴロゴロ引っ張れるタイヤが付いているもの。
普段の2泊くらいの旅行や出張なら布制の軽いカバンを持つが、楽器ケースと一緒に積み上げたり、立ち疲れのときに椅子にしたいので、小さ目のスーツケースが便利。
中は着替えと本番の衣装など。
1999年12月5日(土) 21:00
お約束の前夜祭!
今回のコンサートの主催である「琉球村」さんにて夕食とミーティングをかねた飲み会。
明日もガンバロー的な乾杯シーン。
普段、定期的な演奏活動を行っていない私にとって、舞台照明、音響、制作、演奏者、一同に会する場は非常に重要な情報交換の場である。
世間話、近況報告に始まり、技術情報の仕入先にもなるのだ。
このときで既に深夜2時。 宿泊先のホテルの一室で役員会議(飲み会)続行中。左からキーボードのハルキさん、ギター&バンマスのヨシアキさん、舞台監督の川島さん。
帰る時間を気にせずに音楽や舞台の話を聞かせてらうのは貴重な体験だ。 彼らの議論に自分は側でうなずいているだけなのだ。
ベースの音作りはベースからアンプに直結。 前日のリハーサルでペダル式(コンパクトエフェクター)のコンプを使っていたが、「重低音が引っ込み、楽器の音が痩せる」との指摘を前夜祭のときに受けていたので、きっぱりあきらめてベース人生初の直結を試みる。
普段は必ずコンプやリミッターをベースに使っているので接続を省くのは心情的に抵抗がある。
しかし結果は音がクリアーになり、ダイナミックレンジ(音の強弱幅)が出た。よかったよかった。 やはり何事も生がいいのね。
17時にリハーサル終了。照明や音響の最終調整を行い、17時30分に開場。 開演までにメンバーは衣装に着替えや弦の交換、スタッフはこの短い時間をぬって食事時間となる。
本番5分前ごろの楽屋でのひとこま。 ちょっと緊張ぎみ。