９９年１２月５日名古屋 豊明文化会館にて行われるニーニーズの単独コンサートにベーシストとして参加することになった。
リハーサルには上京中のメンバーも来沖し１１月３日と４日の２日間行われた。
楽曲のアレンジや、構成の変更と確認を行うので記録用としてVS880を持ち込み、リハーサルを通しで録音する。
VS880ではハードディスクに１ＧＢの空き容量があれば、モノラルで５４０分を録音出来る。
１日のリハーサルは３〜４時間なので、２日を通して内蔵ディスクでの記録が可能だ。
■概要
練習スタジオは約８畳ほどの窓がない部屋。 １階部分がスタジオで２階が住宅という作りになっている。
形状は天井と床が平行面で四方の壁は２面がＲし、片方は突起物（階段底面）となっており、響きは非常にデット（反響しない）だ。 生ドラムを叩かれても耳に刺さる感じがない。
■編成とセッティング
◇編成
ドラム、ベース、ギター、キーボード、ボーカル（三味線）、ボーカル（アコギ）、パーカッション
◇使用機材
Roland VS880
RODE NT2
APHEX 107
Hosa CANONケーブル 4m
TAMAブームマイクスタンド
◇セッティング
部屋の中央にコンデンサマイク (RODE NT2)をブームマイクスタンドにセット。
高さはメンバーの頭がぶつからないように１７０ｃｍくらい。 附属品のショックマウント
を使う。
コンデンサマイクは床の音（足踏み、バスドラムの余韻）をよく拾うので宙に浮いた状態にする。
見た目はゴムひもであや取りをして中心にマイクを入れた状態。 これでマイクをセッティングしないと、壁に耳を付けて聞いたような低音の振動がマイクに入る。
マイクは、マイクプリアンプ(APHEX107)を経由して、VS880へ接続する。
ＶＳ８８０側のレコーディングモードはＭＴ２（圧縮率３７％）。 １トラック目のみを使用する。
バンドのリハーサル方法は、始めに曲頭から最後まで通して演奏し、次に変更箇所を再演奏する。
演奏開始直前やドラムカウント前にVS880の[TAP]を押す。 これがマークポイントになり、
ＣＤやＤＡＴのINDEXと同じ働きをする。
あとで、INDEXどおりに聴き直せば、現場でアレンジを試行錯誤していても最終の状態を確認できる。
■編集作業とメンバーへの配布
リハーサル中はずっと演奏しているわけではなく、はじめは通して演奏し、コードやキメの部分を打合せるため、全員の音が出ているのは（記録対象として）３０分中１０分くらい。
ＥＱは、70Hz以下をカットするハイパスフィルター的な使いかたをする。
エフェクターは内蔵ボードの ステレオコンプ[A67 Comp ]をインサート接続し、目いっぱい圧縮する。
▽ ノイズサプレッサー：ＯＦＦ （ONにすると音が濁る。うまく調整できんかった）
▽ コンプ／スレッショルド：-12dB (最大値は-14dB。今回はかなりキツめ）
▽ コンプ／レシオ： 100 対 1 (最大値)
▽ コンプ／リリースタイム： 127 (最大値)
これにより生ドラムが押さえられ、ボーカールが前に出てきた。
最大音量では歪んでいるが、リハーサル時の記録なので、コンプにより音量を一定にすることに重点を置く。
曲のほとんどはギターソロ前、エンディング前、Ｂメロ入りとあけにアレンジ変更があり、変更箇所のみ全員で演奏するため、部分部分を繋ぎ合わせて１曲とする。
素材のツギハギもハードディスクレコーダーならではの機能だ。
が、テンポよく繋げるには時間がかかる。 何度も部分再生し確認。 大きくテンポがずれていたら、ＵＮＤＯ（やりなおし）を押して切り貼り時刻を再調整。
結局、２日分のリハーサル記録６時間を、１時間の曲集に繋ぐ編集をするのに８時間かかる。
これをＣＤ−Ｒに焼くのだが、２回も失敗。１度目は曲ごとのインデックスを付け忘れ、
６０分の連続した１２曲となった。（むかしプリンスが出したＣＤは作者の意向でインデックス無しってのがあった。好きな曲はサーチをずっと押すか、はじめから聴かなくてはならない）
２回目のトライでは途中でＶＳ８８０がフリーズ（だんまり状態）となる。 ディスクアクセスのＬＥＤは点灯しているのだが、ＣＤ−Ｒが動作している様子はない。 ＶＳ８８０とＣＤＲの電源を再投入し、３枚目でやっと成功。
ＶＳ８８０内部でＣＤ用のファイルフォーマットに変換するのに約２時間。 書き込みは再生時間（１時間）の半分だが、ずっとＣＤ−Ｒの前に座っているわけにもいかず、席を立ちテレビを見ていてＣＤ−Ｒを焼いているのをすっかり忘れてしまい、さらに２時間後とかに確認を行うので、完全に作業が終了したのは、深夜１時。のべ１２時間かかった。
完成したＣＤ−Ｒは、翌８日には東京在住のバンマスに速達で発送。４８０円也。
■トピックス
リハーサル最終日は、ＦＭチャンプラの取材があった。
この模様は、１１月９日２０：００より放送されるとのこと。我輩もインタビューに答えた。
今回の録音素材も練習風景として一部分を提供した。
